「ある日の鳥羽水族館」

「2003年11月12日」鳥羽水族館に行ってきました。
今回は素敵な奥様と一緒だったのですが、
そのおかげで初心に戻ったような目線で
水族館を見たり感じたりすることが出来ました。
今回は写真も少なくて申し訳ないのですが、
ジュディーの感じるところを読んで下されば幸いです。
(でも、チョッとレアな写真があります。お楽しみに♪)

「書き込み寺」にも書いたのですが、今回はいつもお世話になっている奥様と
二人で鳥羽に行ってきました。
目的は某ホテルでのエステと休養。
我々は鳥羽と言えば水族館ありき!なのですが、
フツ−世間一般には、観光地に立派な「水族館」がある、という事のようです。
同行した奥様も普段は水族館にはあまり行かないとのこと、
時間をもてあましても退屈だろうと思い
(それでもやっぱり水族館には行く!)
2〜3時間の予定で昼の1時過ぎに水族館に入りました。

しかし、いざ水族館に着くと、
彼女はいきなり大水槽の前から動こうとしませんでした。
まずスケ−ルの大きさに驚き、綺麗さに見とれ、そして
魚の形や動きやその可愛さに目を奪われていたようです。
「カワイイでしょ〜私がいつも水族館に来ちゃうのわかる気がしません?」
「うん、なんか見てるだけで癒される気がするわ・・・」
「でしょ、動きのゆったりとした魚とかをただ眺めているだけでも
リラクゼーション効果絶大なんですよ。たぶん今なんかα波垂れ流し状態♪笑」
「笑、そうね〜」と言った後も、ずいぶん長い時間水槽を見つめて居ました。
しばらくすると「あの上から吊られているオリみたいなのは何?」と聞かれたので、
「大小様々な魚を一緒に飼育していると、エサの時に大きな魚ばかりが先に
エサをとってしまうので、あの中にエサを入れておくと小さな魚が格子をくぐり抜けて
中に入りじゃまされないでエサを食べられるんです。エサは主にアジの切り身とかが
多いのですけど、ブダイの仲間なんかは自然界で海藻が好物なので
水族館では代用にキャベツなどもあげてるんですよ♪」
「ええっ!キャベツ〜?!へぇー!」
「はい、以外でしょ?あっ、あの魚とかがそうです。」
「へぇ〜!!」
水族館初心者レベルの奥様、チョッと目が点のようです。
「某関西の巨大水族館では、見た目の綺麗さだけで高価な疑似サンゴを大量に使って
実際にはあり得ない派手さだけ追求した水槽を作ってたりするんです。
でもココの水槽は、水中写真家の人が「完璧です」と太鼓判の、
水中そのもののレイアウトがされた水槽なんです」
ふたたび「へぇ〜!」

その後一つ一つの水槽を、彼女はそれはそれは丹念に見ていました。
そしてふと気がつくと閉館時間の午後4時半。
まだ見ていない水槽をいくつか残し名残惜しくホテルに向かいました。
ホテルでのめくるめく至福の時間を過ごし翌日鳥羽を後にしましたが、
ちょっぴり鳥羽通、いえ水族館通としては不満足な部分が残りました。
すごいすごいとわかっては居ても、私にはいつもの水族館、でも初めての人には
時間を忘れさせるぐらいすごく感動的な水族館だったんです。
初心に返って水族館を感じるとともに、あらためて良い水族館の底力というものを感じた気がしました。

 私は一緒に水槽を眺めながら少しずつですが、
なにかしら説明をしていました。
ジュゴンの前では
「ジュゴンの雄と雌ってパッと見ても見分けがつかないけど、
メスは脇にピョコッとおっぱいがあるからわかりますよ。
この子が来たときはまだコレぐらいの大きさでね、で、アレがカメ吉、
オスにはあのプカプカ浮いてる・・・」等々・・・。
バックヤードツアーも実にスタンダードになってきた昨今、本当に必要なのは
フロントヤードツアーなのかもしれません。
チョットした説明をすることで、何を見れば面白いのか、何が自分たちと違い何が似ているのか。
ただの「ふーん・・・」が「ヘェー!」になればそれは面白いに違いないはずですもの。
でも、何かを憶えて帰れとか、正しい知識を持って帰れとか言うわけではありません。
私はただの水族館好きで、うんちくを垂れたいわけではありません。
クラゲのコーナーでリーフィ・シードラゴン」を見て「変わったクラゲも居るもんだ」
という会話がされていても、それはそれでかまわないんです。
「ふーん・・・」が「ヘェー!」に変わるとき、
それはこの瞬間に興味が持てた、という事。

水族館の役割だとか使命とか、そういう語られ方をするとき、
とにかくその先にあるのは、誰かに伝わらなければ始まらないということ。
「興味」これを持って貰う為には何をすればいいのか。
この魚は何類に属するとか、体長何センチまで育つとか、どこそこの海に住んでいるとか、
(もちろんそれも大事ですが)それ以外の解説。
「魚がキャベツを食べる」とか、「タコは水槽からよく脱出するので水族館では飼いにくい」とか、
「マナティは大きくて重い、どれくらい重いかというと、体重測定で乗せた担架の太い鉄パイプが
曲がってしまったぐらい重く、その鉄パイプがマナティが落ちた弾みで回転して飼育係が一人
プールに落ちたぐらいすごく重い」・・・という「NHKのニュース」ではなく
「お昼のワイドショー」的解説かもしれません。

海や魚に少しでも興味を持てれば、とにかく少しでも身近に感じてくれれば、
環境のことや我々が恩恵を受けている海の事を、今ココにある現実として
受け入れられるような気がします。
水族館で何をするかは、私たち見る側の選択です。
でも、水族館が何をするかは水族館の海より深い意図があってしかるべき。
もちろん海より深いのですから、あからさまに見え無いところがミソ。
私が知らず知らず水族館好きになっていたように、
良い水族館には、そんな力があるんです。

さて、同行した奥様もこう言っておられました。
『子供や孫を水族館に連れて行ったことはある』と。
そうですよね、彼女に限らずある程度の年齢の水族館利用者は、
誰かに見せるために来ている場所であったり、旅行のスケジュールにあるから
来ちゃったという感じで、自分が来たくて来ているわけではないようです。
残念ながら、何かをしてあげなくちゃいけなかったり、水族館で何をしていいのか
わからなかったりしているのです。
今回私のお友達は、水族館で「何をしなくてもよく、面白い事を見たり聞いたりした」ようです。
これをしなければ、という「…ねばならない」を何一つとして作らない時間の中で、
ただゆったりとゆらめく水槽を眺めて過ごしたのです。
そんな時間が過ごせるって、これ以上の贅沢は無いと、あらためて思いました。
今回の旅の目的であった「エステと休養」これに「心の…」って
つけても良いかもしれません。
また大切な人と行きたいと思います、水族館っていう
心のリゾートに♪



今回、ほんとうに写真を撮ることも忘れて水族館タイムを満喫していたので
少なくてごめんなさいね。その上下手くそだし・・・・。(-_-;)


「ペチャとクチャの給仕タイムです。」
もうすっかりなれてお兄さんにべったりです。


「はるか」さんはすっかり元気で、通称ストーカー「かなた」と
一緒にむしゃむしゃ食事をしていました。


マナティの雄と雌の見分け方はわかりますか?
いつも鼻からアブクを出してる方がメスなんですよ。
あっ、でもこれ鳥羽水族館でだけ通用する見分け方ですから。(^_^;)



お待たせしました!只今、鳥羽水族館「飼育日記」で噂の、
あの「グリーンクルセイダーズ会員証」です。


緑に黄色の十字が眩しすぎる素晴らしいデザイン!!


モデルは鳥羽水族館で1、2をあらそうイケメン(当社比)です。
「いちびり氏」

そういえば飼育日記に書かれていたのは
「ツタンカーメン王のエンドウ豆」でしたよね。
鳥羽水族館では里山コーナーの田んぼで稲刈りがあり、
お正月にはその餅米で鏡餅が作られます。
これはもうすぐ「ツタンカーメン王のエンドウ豆」で豆まき
が行われることは必至です。
年男年女の皆様、今から心のご準備を〜!